ちょうどいい毎日をさがす日記

なんだか停滞してるな、他人と比べては落ち込んでばかりだな、ともやもやした空気が立ち込めてた2015年。それを変えようとまずは暮らしをシンプルに整えようと取り組んだ2016年。なんとか現状を変えようと、ちょうどいい毎日、を模索する34歳のブログ。

心に留めておきたい言葉⑫ セーラ・ケリング

シャーロット・マクラウド『納骨堂の奥に』の中に、とてもおもしろい一文を見つけました。

ドレスはセーラがまだ小さい頃に、母親が着ているのを見たかすかな記憶があるという代物だった。ほかの客の中にも覚えている人間がいることだろうが、セーラは気にしなかった。流行を追う、という些細な口実で無駄遣いする代わりに手持ちのものを身に着けたからといって、非難する者は今日の集まりには一人もいないはずだ。

『納骨堂の奥に』は初版が1989年(!)の元祖コージーミステリです。
主人公のセーラ・ケリングは、26歳。ボストンの旧家であるケリング一族の1人で、由緒正しいお嬢様ですが、旧家と言えども事情があってお金には苦しく慎ましい生活をしています。擦り切れたコートを着ていたり、ジャージを履いていたり、なんだかとっても親しみやすい主人公なのです。わたしとは年齢がだいぶ離れていますが、昔の人が書いた本って若くても大人な女性が多いような気がします。(著者のシャーロット・マクラウドは1922年生まれ、2005年没)
古いものを大事に使っている暮らしぶりなどは、わたしの理想の生活に近いところがあってちゃんとミステリなんだけど(殺人!)暮らしの本を読んでいるようでもあって、最終巻『浮かんだ男』までのあと9冊、楽しめそうです♪

流行を追う、という些細な口実で無駄遣いする代わりに

の部分、好きです。ついつい、今年はベリー色が来ているのか、ちょっとguで探してみようかななんて思ってしまうので・・

その後で

そうは言っても、余分な現金が手に入り次第、このドレスをも含めて遺物は全部、まっすぐ見切り品箱行きにして、自分はハーウィッチ・ブラザーズ商会へ赴き、樟脳玉などそばにも寄ったことのない贅沢な服を揃えるつもりだった。人間はどうしてこう、取るに足りないものに弱いのだろう。

と続くところがこの本のかわいいところです。


納骨堂の奥に (創元推理文庫)

納骨堂の奥に (創元推理文庫)